筆蕾墨華原稿 キーワード: 木下長宏 筆蕾墨華(ひつらいぼっか) 木下長宏 筆は華の蕾(つぼみ)の形をして 墨に浸される時を 待っている 墨を含んだ筆先は 絹の上に着地して 莟(つぼみ)をふくらませる 画家の心と手が 墨を含んだ筆先とともに 絵の苗を育てる 絹の畑を耕すように やがて 水墨の花畑を繰りひろげる 筆の蕾が 墨の華を 咲かせる